ユーミンの歌『海を見ていた午後』に出てくる「山手のドルフィン」の今はどうなっている?
ココがキニナル!
ユーミンの曲に出てくる根岸森林公園の高台にあるカフェ・ドルフィン。お店のスタイルが気になります。ソーダ水の中を貨物船はとおるのか。(マンジンさん/maniaさん/やまほさん)
はまれぽ調査結果!
ユーミンの曲に登場し有名となった「ドルフィン」は、窓からの光景が大きく変わってしまった今も、多くの人に愛される“静かなレストラン”だった!
ライター:大野 ルミコ
1974(昭和49)年10月に荒井由実名義でリリースされたアルバム『MISSLIM』。そのA面(この言い方も懐かしいですね・・・)4曲目に収録されている『海を見ていた午後』。
♪山手のドルフィンは静かなレストラン
この曲の、この一節で一気にその名を知られることとなったのが、JR根岸駅から歩いて10分程度の高台に店を構える「ドルフィン」だ。聞けば、リリースから42年経った今でも、この曲の面影を求めて多くの人が店を訪れるのだという。
「ドルフィン」が店を構える根岸旭台は、高級住宅地としても知られている
基本的に「取材はお受けできない」としつつも、「お客様のご要望も多いため、店内やお料理などの撮影はOKとしている」というお店側のお言葉に甘え、今回は特別に編集部・山岸と二人、“お客様”としてひっそり「ドルフィン」におじゃまし、潜入取材をすることにした。
めざすはあの丘の上! 急峻な階段に立ち向かう
ということで、山岸と二人で降り立ったのは、JR根岸線の「根岸」駅。「山手のドルフィン」と歌われていることもあり、てっきりお隣の「山手」が最寄り駅だと思っていたが、実際にはここ根岸駅から向かうほうが断然近い。
平日の根岸駅は地元の人たちが行き交うのんびりとした雰囲気
高台にはマンションが並ぶ。「ドルフィン」はあの丘の上にあるのだろうか
駅の反対側は高速道路と石油コンビナートが見える。その向こうは海だ
駅の正面は小高い丘にそってマンションが立ち並ぶ住宅街。しかし、駅の反対側に目を移せば貨物列車と石油コンビナート。駅を挟んで広がるあまりにも対比的な光景にキョロキョロしていると、ロータリーの一角にちょっと変わった地図があることに気づいた。
その名も「祖父たちが語る根岸マップ」。周辺の史跡などが紹介されている
イルカのイラストとともに「ドルフィン」の文字が! なんだか歴史を感じる
手描きのタッチもかわいらしいマップにほっこりしたところで、早速、「ドルフィン」に向かい歩き出す。唯一の頼りはiPhoneのマップなのだが、現地へと続く道は途中で急激に表示が細くなったり、切れていたり・・・本当に大丈夫かと、出鼻をくじかれたような気分になる。
根岸駅前の大通りを山手方面へと進む
iPhoneマップに指示された通り、細い路地を進むが・・・この先、道はあるのか?
切り立った斜面に沿って細い階段が続いていた
根岸駅から現地までの「最短コース」として示された道は、途中からびっくりするような細い階段が続くコースだった。つづら折りに続く階段は、傾斜はそれほどきつくないものの、異様に長く、また「終点が見えない」こともあって、地味に疲れる。
ひたすら上る・・・
頭上に伸びる手すりが、まだまだ階段が続くことを暗示している
木々の隙間から見える風景からも「だいぶ上ってきた」ことが実感できる
延々と続く階段を上り、うっすらと汗がにじんできたころ、道はやっと大きなバス通りの緩やかな上り坂につながった。目の前に「不動坂上」というバス停が見えている。ここまでくればドルフィンはもう目と鼻の先だ。
根岸駅からは上り坂が続くので、バスを利用する人も多いという
ちなみにこの「不動坂上」のバス停は、「ドルフィン」から歩いて2~3分程度。こちらには根岸駅だけでなく、横浜駅や桜木町駅発のバスも乗り入れているようなので、体力に自信のない方はバスを利用するのもいいかもしれない。
根岸森林公園へと続く坂道をさらに進むと、右手にドルフィンの看板が見えてくる
一歩、一歩、坂を上るごとに「ドルフィン」の看板が大きくなる。そんな光景に『海を見ていた午後』の中で歌われている“一人で上ってきた坂”はもしかしたらこの「不動坂」のことなのかな・・・と思ったりもする。こうした想像をするのもなんだか楽しい。